モンテッソーリ教具の中には、0歳から3歳未満児のために特別に考案された数々の教具があり、非常に子どもの発達に貢献しています。
しかしこれらのモンテッソーリ教具以外のものでも市販されている教育玩具の中には同様の効果を子供にもたらすものが数多くあります。
問題は、それらをいつ、どのように子供に与えていくかだけです。
そこさえはっきりすれば家庭でも子供の運動発達(粗大運動ではなく手の動きなどを指します)のための環境が出来上がってきます。
では、運動の発達の順番に沿って、どのようなものが考えられるか紹介していきましょう。
運動(動き)の発達を促すおもちゃの系統性
0〜6ヶ月の活動
感覚の発達がめざましい時期
- 感覚の発達の援助
- 誕生〜6ヶ月くらいまでの子供に対しては、視覚・触覚・聴覚を刺激するための活動が必要となります。
これらの刺激は神経の発達を助け、後の学びの基盤となります。 - 1. 視覚のみを刺激する
- 2. 視覚と触覚を刺激する
- 3. 触覚を刺激する
- 4. 触覚と聴覚を刺激する
という段階に分けられます
- 誕生〜6ヶ月くらいまでの子供に対しては、視覚・触覚・聴覚を刺激するための活動が必要となります。
- 目的
- 視覚の発達。明暗の感覚の発達。環境の変化を見る。視覚・触覚・聴覚を手で認識する。自分の手の能力に気付く。自分で環境に働きかける。
焦点を合わせる・動くものを目で追う(追視)
動くものを目で追う(追視)
動くものを目で追う(追視)・目を大きく動かす
色の濃いもの〜薄いものを見る・目で追う
握る・振る・音を聞く
6ヶ月〜1歳2ヶ月
歩くようになり、手が自由に使え、目と手が連携できる。運動の発達がめざましい時期
- 運動の発達の援助(目と手の協応動作)
- 6ヵ月位になり、1人で座ることが出来るようになると、手が自由になります。歩行が完成する1歳2ヶ月くらいまでは「目と手の協応動作」の獲得のための活動が中心となります。
- 目的
- 目と手の協応の獲得。手のいろいろな使い方。自立心の養成。
握る・振る・音を聞く・ハイハイを促す
握る・つかまり立ち・落とす・目で追う
引っ張る・動かす・音を聞く・(歩く)
1歳2ヶ月〜2歳の活動
手先が器用になり、日常生活の動きに興味を持つ時期
- 運動の発達の援助(手の動きの洗練)
- 歩くようになったら、より洗練されたでの動きが獲得できるような活動を紹介していきます。「日常生活の練習」の始まりです。
- 目的
- 手の動きの洗練。自立心や集中力の養成。
- 活動の対象(1歳2ヶ月くらい〜)
- 「日常生活の練習」
握る・叩く・音
形・はめる
はめる・握る・叩く
握る・叩く・力を加減する・狙う
握る・ひねる
つまむ・紐に通す・色・形
はがす・くっつける・手触り
2歳〜 の活動
運動能力が増し、同時に集中力も増す。言葉も体験を通して豊かになる時期
- 言葉の発達の援助
- 1歳を過ぎ、意図して言葉を発し始めた子供には、豊かな言語環境も必要となります。
- 目的
- 豊かな言語の体験。ものと名前の一致(語彙の獲得)。話し言葉の充実。
- 活動の対象(2歳6ヶ月くらい〜)
- 「感覚教育」
- 無意識的吸収精神の時期から、意識的精神の割合が多くなります。
それまでに蓄積してきた感覚的印象の整理が進みます。
- 無意識的吸収精神の時期から、意識的精神の割合が多くなります。
- 「感覚教育」
形・大きさ・積む・順番
高さ・太さ・はめる・順番
形・色・積む・並べる
3歳〜 の活動
「感覚体験」「運動体験」+「言語体験」が欠かせない
3歳までに感覚器官、運動器官が刺激される活動を自発的に行うようになります。それによって「感覚に訴えて運動(動き)を伴った学び方」を子供は獲得していきます。その方法で学び取ったものを、言葉(ことば)に置き換えていくことによって概念化(抽象化)が進みます。
色・形・順番・数
形・積む・作る
形・ひねる・はめる
バランス
こまを回す・道具を使う