小1の冬あたりから、発達障害の疑いが強まっていましたが、区の発達検査を申し込むのは、なかなか心理的なハードルも高く、1年、2年と経っていました。
この春、勇気を出して電話をして不安な点を話したところ、検査をしていただける事になったので受けてみました。
私の感覚としては、娘の問題は主に運動・行動・コミュニケーションに関するもので、知能検査よりも運動機能中心の検査があったらなあと思いますが、薬に頼らず家庭で治せる発達障害とのつき合い方にWAIS(WISCの大人版)でも発達のデコボコ(右脳と左脳のアンバラス)が分かると書いてありました。
WISC-IV 検査結果
結果は発達相談員の方が説明してくれました。最初に「この型(M字)はとても多い、本当に多いです。」とおっしゃっていました。私は早期教育の弊害かもしれないと思っています。
またこのテストでは診断は出来ないとのことでした。
相談員の女性は親身になって、育てづらさへの理解やこれからのお友達とのコミュニケーションに心配があることなどをやんわりと伝えてくれました。
知識の無い状態で結果を見ると、パッと見、「言語理解」がとてもよくて、「処理速度」はちょっと遅いけど、それほど大したことないんじゃないの?と思うかもしれません。
しかしネットで検索してみたところ、「処理速度」というのはそのまま「社会適応能力」と考えられるようです。
娘の処理速度は100人中後ろから34番目という結果でした。
ブレインバランス的には言語理解とワーキングメモリは左脳系、知覚推理と処理速度は右脳系がメインで、やはり左右脳のバランスの崩れが大きいというところでしょうか。
(後日、小学校の個人面談で担任に検査結果をお話ししたところ、「点差が大きいですね」(最大46点差)と言われ、学校側で診断名を貰う方向で話を進めていただけることになり、学校にいる間1、2時間ピッコロルームで運動、行動、コミュニケーションへの取組みが出来るようにしてくださるそうです。いくつかの工程を踏むので始まるまで結構時間がかかるそうです。)
処理能力が低いということは?
参考 WISC4検査の結果、処理速度指標(PSI)が低い。そんな子への対応方法とは?発達障害サポートblog
このブログを参考にすると、娘は視覚記憶が弱いということで合っていると思います。
字形が乱れている、絵が幼児の時から変わらないこと、5~歳頃、筆算の桁を揃えるところでつまづいたこと、漢字のパーツがバラバラで揃わない・はみ出すことなどを考えると、書き写す能力に問題があるとわかります。
実際は運動系全般の問題の方がはるかに大きいのですが。
それに加えて、すぐに空想の世界へ飛んでしまい、集中することができないという問題があると思います。
花まるの先生が、「『あさがお』は中学生になってから効果に気がつきます」とおっしゃってましたが、毎日花まるの「あさがお」はまさにこの「処理速度」を上げるための練習なのですね。
社会適応能力が低いと?
IQ120、精神年齢6才の女性
16歳の頃に事故で前頭前野にダメージを受けてしまった23歳の女性のお話です。
事故後、身体的には回復し勉強もできるのですが、アルバイトをしてもすぐクビになるなど「日常生活がなんとなくおかしい」と両親は訴えていましたが理解されずに7年間放っておかれました。
女性を検査をしてみると、心の理論の「サリーとアン」の課題(他者視点が持てるかどうか)で誤解等を示し、前頭前野の機能がひいきめに見ても6歳レベルということがわかりました。
澤口俊之「やる気脳」を育てる 子どもの脳がぐんぐん育つ
より一部抜粋
…
前頭前野の機能が失われると、
- 間違いに気づくことができない
- 間違いに気づいても訂正することができない
といった問題が起こるようです。
読み書き計算などのIQは高いけれども、それらの能力を活用するリーダー(前頭前野)が6歳レベルだと社会に出て適応することはできません。
たとえIQが120あっても社会に対応していくことができないのですから、「夢」をかなえることはできません。
澤口俊之「やる気脳」を育てる 子どもの脳がぐんぐん育つ」
本人は、自分でもどこかおかしいと思っていますが、それでも平気です。
行動に移せないことがストレスになることはありません。それも分からないのです。ですから、本人はいたって明るく、自分のどこがおかしいか自覚を持てないのです。
このお話の例のように、IQが高くても宝の持ち腐れ、という事になるようです。😢
ひょっとして間違いに気づけていない!?
我が娘の話にもどります。
確かに、娘は出来ていないのに「出来てる!」と言い張る事が多く、あえて「出来てないよ!」とは言わないようにしていましたが、さすがに3年生ですから、本当に出来ていない事がわからないのなら問題だと感じていました。
たとえば、幼稚園のころ、セミを取ろうとして、網を木に押しつけて、蝉は飛んでいってしまったのに、網を木に押しつけたまま、「取れてる!」と言い張るシーンが何度かありました。
足も遅いのに、「わたし足速い!」と言っていました。
3年生現在のピアノも、リズムはメチャメチャ(早く弾こうとしすぎる)で指もつっかえたり飛んだりして、まともに弾けていないのに、「ちゃんと弾けてる!」と言い張り、私は発表会を前にとても不安になっていました。
(ピアノの先生に相談したところ、「絶対弾けます」と言ってくれて、1時間特別にレッスンしてくださり、目を瞑って弾くと早くなりすぎず落ち着いて弾ける事がわかりました。大丈夫なレベルにしてくれて本当にありがたいです。)
他には、着替える時に人前で平気で裸になるなどが気になります。
…
「本当にそう思ってるの⁉️」と聞き返したくなるような事がよくあります。私や夫は、彼女が単に現実を受け入れたくなくて言っているのだと思っていました。
けれども、この本を読んで、もしかしたら本当に「間違いを認識できていない」のかも知れないと思いました。
(妄想が強いという脳内のケミカルな事情が続いていた原因もあるかも知れません)
他者視点を持てるかどうか、客観的な視点が持てるかどうか… 「心の理論」という課題は娘が幼児の頃一度目にしていて、試してみてよく分からなかったなあと思い出しました。
「「やる気脳」を育てる(澤口俊之)」によると、人間性知能と言われるこの能力は前頭前野が担っているそうです。前頭前野は5才〜8才までに急激に発達する部位だそうで、この1〜2年間に私が娘に抱いた大きな不安、それは前頭前野が発達しないためにお友達との差が大きく開いてしまったように感じた、というのが原因のひとつにあったんだとわかりました。
成長が止まっていた小2の一年間
娘にリーキーガットという栄養障害があった(ある)ことは以前に書きましたが、このことは夏休み前に貰ってきた身体測定の結果も裏付けています。
2年生の間、身長が伸びていなかったのです。
私は去年この表を見た時は「背が伸びていない訳ないから、測り間違いだろう」と思って気にしていませんでした。今回は表を見て、本当に身長が伸びていなかったんだろうと推測できました。
「発達障害の改善と予防 家庭ですべきこと、してはいけないこと(澤口俊之)」には、子供の脳の発達は8才未満ならなんとかなるけれども、8才以降になると難しいと書かれていて焦りましたが、希望が持てることには、前頭前野は8才以降も発達し続けると書かれています。しかし臨界期は過ぎてしまっていますので、それなりの損失はあることを覚悟しないといけません。
それから、娘はあきらかに右脳の機能が弱いようなので、その部分をどれだけ取り戻せるかも気になっています。
色々と悩みはつきませんが、引き続きコア体操など運動系を増やしつつ、前頭前野の機能アップに的を当て調べていこうと思います。